お疲れ様です。イチゴ栽培担当 カトウです。
5月に今季の収穫、出荷作業が終了して、6月にはハウス内の片付け作業を終了。7月に入り、いよいよ来季に向けての準備が始まってきました。
すでにブログで紹介しましたが、GWあけから「よつぼし」の種まきがスタート。7月は「越後姫」の準備をします。
そこで、今回はイチゴの採苗作業、温湯消毒について少し紹介しようと思います。
① 3月下旬に植え付けた親苗からランナーを伸ばしていきます。だいたい1株からランナーが8本くらい伸び、伸びた先で子株をつけ、子株からランナーが伸びていきます。7月の採苗までに4つか5つくらい子株が出来ます。(下の写真は2020年撮影です)
② 7月上旬の梅雨時期に採苗作業をします。まずハウスを遮光ネット(黒色、80~90%遮光)で覆います。採苗後の苗はとても弱く、強い日差しや高温ですぐに萎れてしまいます。なので天気予報を見て作業日から1週間なるべく曇りか雨が続きそうな日を狙い作業します。
親株から伸びたランナーを切り、病害虫防除のためにお湯につけて消毒を行います。
親株から切り離した子株はタンクに水を張り、流水に浸けながら、伸びたランナーを切り戻したり、葉かきをして調整作業を行います。
調整後の子株をネットに入れ温湯消毒を行います。お湯の温度は50℃、浸漬時間は3分間、その後はすぐに流水に浸けて冷却していきます。
水温と浸漬時間は必ず守って下さい。温度が上がると苗が焼けて、下がると殺菌効果が薄れます。
浸漬後はしっかりと冷却しましょう。冷却が不十分だと活着率が下がります。(←この作業が一番大事な気がします。)
温湯消毒後の苗と未消毒の苗は分けて管理して下い。同じタンクに入れると消毒した意味がなくなるので注意しましょう。
因みに、新潟では50℃3分で消毒しますが、他県では46℃5分のところもあるそうです。
③ 温湯消毒後の苗をピンでポットに固定していきます。(下の写真は2020年撮影です)
子株が大きと倒れますが根っこの部分がしっかりと培土に接触していれば発根しますので、ピンでしっかり固定して下さい。
始めから伸びていた根っこは温湯消毒で焼けてしまいますが、しっかりとピンで固定してあれば新しい根が出ます。
④ 採苗後はミストをかけ管理します。
ミストは7時~17時まで1時間おきに5分間行い、常に苗が乾かないよう注意します。
特にピンの固定が甘く、苗が浮き上がってしまうと活着率が低下しますので注意が必要です。定期的に苗が浮き上げってないか確認して下い。
子株が大きく隣の苗と葉が重なっているところは注意が必要です。加湿により葉に”よどれ”が発生する可能性があります。必要に応じてミストの回数を調整していきます。
だいたい5日程度で新しい根が伸び始めます。採苗10日ほど経過し、活着した頃に遮光ネットを外し、ミストの回数を減らして管理していきます。
後はタイミングを見ながら肥料を上げ、葉かきを行いながら9月末の定植まで管理していきます。
因みにグリーンファーム北越では7月上旬に採苗して9月末から10月初旬に定植を行いますが、挿し苗育苗の育苗期間としては90日が良いそうです。うちは毎年80~85日程度で定植しちゃいます。
7/28撮影 採苗後25日